補助金について

最近は国会にて盛んに「政治とカネ」の問題が取り上げられていますね。

一納税者として一言申し上げたい、と感じている人も多いのではないでしょうか。

 

そんなことを思っているうちに年度末になろうとしております。

公募の締め切りが近づいている補助金につきまして弊社顧問の中小企業診断士より情報が届きましたので共有させていただきます。

 

■中堅・中小成長投資補助金

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金の公募が開始

・公募締切:4月30日(火) 17:00まで

・予算額:総額3,000億円(令和8年度までの国庫債務負担含)  ※令和5年度補正予算1,000億円

・補助上限額:単体50億円

・補助事業期間:交付決定日から最長で令和8年12月末まで

中堅・中小成長投資補助金HP:https://seichotoushi-hojo.jp/

 

こちらは従来とは異なった補助金になっています。

検討中の方々へご参考になれば幸いです。

金融庁による「事業成長担保権」活用の融資制度法案提出へ

今年度の通常国会へ金融庁が「事業性融資推進法案」(仮称)を提出しました。
この法案が狙っていることは、企業の成長期待度に「事業成長担保権」を設定し、融資を受けることを可能にするというものです。

従来は、不動産などの有形資産に個別に担保権が設定されてきましたが、新法案が可決されれば知的財産権やのれん、将来のキャッシュフローなど有形無形問わず企業の「総財産」が担保の対象となります。「事業成長担保権」の詳細は「こちら」を御覧ください。

土地や不動産などを持たないベンチャーやスタートアップ企業にとって大変心強い制度ですね。

今国会では、例のパーティー券問題で大荒れになる可能性もありますが、
この法案が廃案や先送りにならないことを願っています。

以前より、いくつかの金融機関では、欧米のように技術力や知財などの無形財産を担保として評価し融資をすることは行っていたようですが、いまひとつ盛り上がりに欠けていたように思います。

今回、政府主導の下で「事業成長担保権」を使った融資スキームが確立されれば、
特に研究開発型の中小企業、ベンチャー、スタートアップなどにおいては、
特許・意匠・商標など知財や、ノウハウ、開発力などの無形資産に「事業成長担保権」を
設定することで融資を受け、より大きな開発プロジェクトに移行できるという状況が見込めます。大いに期待したいところです。

幣社が提供する伴走型の特許調査サービス『PatHelp』も、この「事業成長担保権」の設定や、企業様のブランド価値のより一層の向上の一助になるものと考えております。

どうぞお気軽にご相談ください。

公的支援を活用した知財活動

幣社顧問の中小企業診断士 辻下より、「特許行政年次報告書2023年版」から抜粋の下記の2つの公的支援情報が提供されましたのでご紹介させていただきます。

 

① 知財金融促進事業  ~金融機関の取引先企業の価値向上に向けて~

知財金融促進事業とは、特許庁による中小企業支援の取り組みで、金融機関が中小企業の持つ技術力やブランド力等の知的財産を理解し、中小企業の成長に資する経営支援を促進していく事業です。中小企業の知的財産を踏まえた事業評価や経営課題に対する解決策をまとめた「知財ビジネス評価書」や「知財ビジネス提案書」を金融機関へ提供し、知的財産に着目した事業性評価により、金融機関による融資や企業等のリレーション強化等が促されることが期待されています。

 知財金融促進事業の詳細はこちら

 

② IPランドスケープ支援事業

2022年度、独立行政法人工業所有権情報・研修館において、中堅・中小・スタートアップ企業等を対象に「IPランドスケープ支援事業」が実施されました。全5回の公募により当事業が有効に活用されると判断され採択された107件に対し、特許情報分析に加えて市場や事業の分析力を持つ専門家が支援を担い、目的やテーマに応じて市場情報、事業情報、内部情報、知財全般の情報を組み合わせて経営層の意思決定に資する分析情報が提供されました。

 IPランドスケープ支援事業の詳細はこちら

 

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なお、幣社におきましても全国共通の補助金情報のみならず、各地域の公的な補助金情報を活用しながら、伴走型のサポートサービス(相談、申請サポート、『PatHelp』などの知財調査、知財発掘、知財評価、事業性評価、知財活用、金融機関への情報提供サポート等)を行っております。

補助金申請は計画的に行うことが必要であり、時間が掛かるものですので、次の応募に向けて今から準備をされてみてはいかがでしょうか。お問合せをお待ちしております。

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専門弁護士との顧問契約について

弊社では、研究開発型の中小企業様やスタートアップを含むベンチャー企業様の独自の技術を活かした、新規の製品・サービスの開発に寄り添う俯瞰的かつ伴走型の特許調査サービス【PatHelp】を先日立ち上げ、現在お客様へご紹介しているところです。

このサービスは直接的には特許調査を謳っていますが、調査を進めていくなかで、知財発掘サポートや産学連携のコーディネート、補助金情報提供のほか、輸出入に係る諸問題の相談など、多岐に渡って専門家と繋がるプラットフォームとしての機能も持っています。

この度、輸出入などのトラブル解決を手掛ける有森文昭弁護士に幣社顧問として加わっていただきました。

有森先生は大手法律事務所とも連携しておりますので、輸出入問題以外に、広範囲の法務分野に対応可能です。

過去の例では、

「大学発のベンチャー企業が開発した材料に関するC国での模倣が酷く」、「そのC国での特許審査が困難を極めており査定が下りない」ということから、日本の税関で輸入を差し止める手続きを行った、という情報があり、「その情報を国内D社が知りたい、どうすればよいか」という質問があったことがあります。

このような状況は単に一例ですが、今後も輸出入に関する様々な問題が起きる可能性は大いにあります。新規の製品・サービスの開発においても、有森先生に相談できることのメリットは大きいと思っております。

「10分」の教訓

いまから13年ほど前、大阪のベンチャー企業から「鉛フリーの低温はんだに関する米国特許(US,933,xxx B2)を無効にできないか」と相談がありました。

この米国特許は、欧州の小規模ながらX線センサの開発専門メーカが米国で保有していた権利であり、どうしても米国での権利が邪魔になる、との理由でした。

この米国特許の履歴を調査したところ、米国審査官からの1回の拒絶理由を克服して、すんなり権利化されていました。

そこで、まずは無効化のため調査を行うべく、日本の特許庁のDB(現在の「J-PlatPat」)に「はんだ材料」と「温度」の条件を入力したところ、何と驚くなかれ、殆どドンピシャで拒絶できそうな公知例が2件、しかもたった10分の作業で簡単にヒットしたのです。

これらの公知例はもちろん英語版もあったので、米国審査が甘い、と思わざるを得ませんでした。(現在は厳しいようですが…)

ただ、それは組合せで無効理由が成立しそうなものだったため、新宿にある国内特許事務所に在籍していた米国特許弁護士に相談して鑑定をしてもらったところ、これはほぼ完璧な(perfect)無効文献であると褒めていただきました。

この公知例2件を以って無効審判を米国で行った結果、相手方は再審を請求して審査を継続し粘りましたが、結局3年後に無効になったのです。

この調査業務を通じて感じたことは、

「殆どの審査結果は信頼してよいが、ときとしてそうでないことがある。こんなに簡単に許可になってよいのかと少しでも感じたら、自分で調査をしてみる」ということです。

このケースのようにたった10分で拒絶根拠となる公知例が見つかるような事態は回避すべく、特許事務所へ相談するべきなのです。

特に欧米の企業は審査官の許可査定を疑い、許可理由に納得いかない場合は更に審査を続ける傾向にあります。(もちろん、出願の目的が何であるのかにもよりますが)

「2023 特許・情報フェア&コンファレンス」@東京ビッグサイト レポ

先月13日~15日まで「2023 特許・情報フェア&コンファレンス」が東京ビッグサイトで開催されていたので、久しぶりに参加してきました。

近年、さまざまなコンファレンスや展示会が開催されていますが、これらは自社の技術開発や他社の情報を収集するための手段として格好の場です。

この「特許・情報フェア&コンファレンス」は、各企業の知財、特許調査関係、特許事務所、翻訳関係の人が集まる、技術者から見れば少しマニアックに見えるイベントかもしれません。機械やサンプルが並んでいる訳ではないので。

展示ブースには公的な組織や金融機関からの参加もありましたが、外国からの参加は中国の特許事務所が幾つかあった程度で以外と少なかった印象です。

その中に一つ、インドの事務所からの参加があったので、名刺交換をさせてもらいました。

製造拠点がシフトするにつれて、さまざまな業界においてインドへの特許出願も今後増えていくことが予想されますが、インドの特許制度は、欧米などのそれとは少し違う面があるので要注意です。

また、例年通り大手メーカー企業の調査ツールやサービスなどがあるなかで、それ以上に今年はAI(生成AI)による特許評価、強いては知的財産の価値を企業全体の資産評価の一要素として扱うものが目立ちました。

他には「弁理士が行う特許翻訳」と銘打って展示されているブースもありました。

その弁理士先生ともお話をしてきましたが、皆さん、この競争時代に差別化には苦心されているようでした。

生成AIと特許業界

私がこの特許業界に入ったのは、いまから42年前。

小さい卸業会社から全く畑違いのこの業界に飛び込んだ当時、日本はバブル時代でした。

この僅か40数年の一瞬の間に、長期の景気停滞もさることながら、国内外の法制度、諸外国の知財戦略、国内顧客の知財戦略などを含め、この業界も大きく様変わりしました。

「紙と鉛筆があれば食っていける」と豪語していた修行時代の講師の言葉は、いまや幻。

この様変わりは、特許(知財)業界の一角を占める特許事務所とて例外ではありません。

私が勤め始めときは、まだ和文タイピングの業務が残っており、英文タイピングも含め、タイピストの存在感が強い時代でした。

出願するにはタイプ時間が必要なので、計画的な作業が必須であるものの、月末はいつも深夜12時直前にタクシーで新宿の郵便局に急行。そして、窓口に並ぶのが常でした。

前に並んでいる人が居れば一安心で、12時を過ぎてもその日の日付印を押してくれたものです。

一段落した所長はその後、歌舞伎町で寿司をご馳走してくれました。その後はどうやって帰宅したのか、いまは記憶がありません。紙出願時代の人情味のある話です。

その後、「ワープロ+ドットプリンタ」が一世を風靡したものの、直ぐにパソコンに取って変わられました。

技術者が直接パソコンを使って明細書を作成するので、タイピストも殆ど居なくなりました。

技術者がパソコンを使うと、文章のコピペ部分が増えて明細書枚数が増えます。これを嫌ってか、最近は企業の料金リストから頁割増の項目が少なくなりつつあるようです。

企業が事務所に求める業務内容・質や料金体系も大きく変ってきているということですね。

昨今は生成AIが登場し、明細書のかなりのものを作成してくれる、という話もあります。

歳をとってくると、明細書作成はかなりハードな仕事に感じるようになってきました。ただ座ってワードを打っていれば済むというものでなく、脳の瞬発力が要求されるタフな仕事でもあるのです。

特許技術者(補助者)として、生成AIはその助けになるのか、それとも仕事を奪われるのか、そんな時代が直ぐ先にあるような気がしています。

国内公報調査の注意点について 

10月に入りやっと暑さも落ち着いてきました。

報道によると、この夏の気温は過去最高だったということです。

ということは、私が18歳で上京してから、最も暑い東京の夏ということになります。

どうりで体力的に堪えた訳ですね…。

 

そんな中、最近改めて注意喚起が必要と思われる事象に遭遇しました。

日本の会社の米国特許出願に対して、米国審査官が米国で発行された特許公報(日本には出願していない)で拒絶してきたのです。内容はほぼ同じでした。

それに前後して、日本の会社の欧州特許出願に対して、欧州審査官が韓国で発行された特許公報(日本には出願していない)で拒絶してきました。これも殆どドンピシャの内容。

欧州審査官は、機械翻訳されたハングル語の韓国公報を引用したようです。

最近は機械翻訳が急速に普及し、特許庁同士(日、米、欧、中、韓)も審査に関して情報共有しています。

注意すべきは「特許公報はどの国で発行されたものであっても、他国で公知例として機能する」ということです。

どのように特許を活用するか、その戦略にも依りますが、特に積極的な権利行使を視野に入れている場合は国内公報だけを調べる調査では十分でないと思われます。

伴走型特許調査サービス『Pathelp』のご案内

この度、これまでの経験をもとにした伴走型特許調査サービスを「PatHelp」と銘打った中小・ベンチャー企業様向けの新サービスを始めました。

伴走型とはいっても、必ずしも政府や公的機関のような形式張ったものではありません。

私どもの経験に基づいて企業様の自社ブランド化に向けた新製品開発を、一過性ではなく、長期間にわたってサポートさせていただくものです。

企業様の日頃の業務の中で思いついた技術アイデアや改善、さらには営業担当が仕入れた他社情報などを元にした新規ネタを社内検討の段階からお客様の知財スタッフの一人として、半年から数年にわたって育て上げます。

特許のみならず、実用新案、意匠、商標などについても調査可能です。

特許調査をもとに打ち合わせを繰り返し、アイデアに磨きを掛け、新製品の開発設計、試作、製造に特許(知財)面からサポートさせていただきます。

必要に応じて特許事務所での特許出願も可能です。

さらに、出願後の措置も企業様の一スタッフとして特許事務所様との連携のもとで行います。

自治体にも拠りますが、特許調査にも補助金が適用される場合もあり、製品開発の補助金の一部を知財費用に充てる場合もあります。

また調査結果次第では出願までは不要な場合もあります。

まずは、調査して競合他社の動向を俯瞰的に探っておくことをお勧めしています。

ご興味がございましたらいつでもご相談ください。

四ツ谷駅周辺の再開発

オフィスのある四ツ谷では、JR四ツ谷駅を中心に周辺の再開発が大規模に進められています。

地盤整備の間は時間が掛かっていましたが、建物の建設に入ったら、あっという間に大きなビルが出来ていきます。

歩道沿いのフェンスには、何百枚もの「建設業許可票」がずらりと貼りだされています。

巨大なビルだから数が多いのは当然なのでしょうが、これだけの要素が齟齬をきたすことなく組み合わされて初めて、安全な日常ができあがっていくのだと改めて意識させられます。