公的支援を活用した知財活動

幣社顧問の中小企業診断士 辻下より、「特許行政年次報告書2023年版」から抜粋の下記の2つの公的支援情報が提供されましたのでご紹介させていただきます。

 

① 知財金融促進事業  ~金融機関の取引先企業の価値向上に向けて~

知財金融促進事業とは、特許庁による中小企業支援の取り組みで、金融機関が中小企業の持つ技術力やブランド力等の知的財産を理解し、中小企業の成長に資する経営支援を促進していく事業です。中小企業の知的財産を踏まえた事業評価や経営課題に対する解決策をまとめた「知財ビジネス評価書」や「知財ビジネス提案書」を金融機関へ提供し、知的財産に着目した事業性評価により、金融機関による融資や企業等のリレーション強化等が促されることが期待されています。

 知財金融促進事業の詳細はこちら

 

② IPランドスケープ支援事業

2022年度、独立行政法人工業所有権情報・研修館において、中堅・中小・スタートアップ企業等を対象に「IPランドスケープ支援事業」が実施されました。全5回の公募により当事業が有効に活用されると判断され採択された107件に対し、特許情報分析に加えて市場や事業の分析力を持つ専門家が支援を担い、目的やテーマに応じて市場情報、事業情報、内部情報、知財全般の情報を組み合わせて経営層の意思決定に資する分析情報が提供されました。

 IPランドスケープ支援事業の詳細はこちら

 

—————————————————————————————————–

なお、幣社におきましても全国共通の補助金情報のみならず、各地域の公的な補助金情報を活用しながら、伴走型のサポートサービス(相談、申請サポート、『PatHelp』などの知財調査、知財発掘、知財評価、事業性評価、知財活用、金融機関への情報提供サポート等)を行っております。

補助金申請は計画的に行うことが必要であり、時間が掛かるものですので、次の応募に向けて今から準備をされてみてはいかがでしょうか。お問合せをお待ちしております。

—————————————————————————————————–

専門弁護士との顧問契約について

弊社では、研究開発型の中小企業様やスタートアップを含むベンチャー企業様の独自の技術を活かした、新規の製品・サービスの開発に寄り添う俯瞰的かつ伴走型の特許調査サービス【PatHelp】を先日立ち上げ、現在お客様へご紹介しているところです。

このサービスは直接的には特許調査を謳っていますが、調査を進めていくなかで、知財発掘サポートや産学連携のコーディネート、補助金情報提供のほか、輸出入に係る諸問題の相談など、多岐に渡って専門家と繋がるプラットフォームとしての機能も持っています。

この度、輸出入などのトラブル解決を手掛ける有森文昭弁護士に幣社顧問として加わっていただきました。

有森先生は大手法律事務所とも連携しておりますので、輸出入問題以外に、広範囲の法務分野に対応可能です。

過去の例では、

「大学発のベンチャー企業が開発した材料に関するC国での模倣が酷く」、「そのC国での特許審査が困難を極めており査定が下りない」ということから、日本の税関で輸入を差し止める手続きを行った、という情報があり、「その情報を国内D社が知りたい、どうすればよいか」という質問があったことがあります。

このような状況は単に一例ですが、今後も輸出入に関する様々な問題が起きる可能性は大いにあります。新規の製品・サービスの開発においても、有森先生に相談できることのメリットは大きいと思っております。